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地理情報システム(GIS):風力発電における鳥類のセンシティビティマップについて

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風力発電における鳥類のセンシティビティマップとは

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップは、風力発電事業を計画しようとする際、鳥類の生息状況等を事前に把握する時の参考として頂くためのものです。本マップを活用することで、鳥類に配慮しながら風力発電事業を効率的に進めて頂くことを目指しています。

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップでは、地図上で鳥類への影響を考慮すべき区域(注意喚起メッシュ)と鳥類の渡りルートを確認することができます。さらに、その区域でどのような鳥類が確認されているかなどの情報(メッシュ情報)を確認することができます。これらの情報を、事業区域の検討や鳥類の調査計画を検討する際の参考としてください。

  注意喚起メッシュのマップを拡大すると表示されるメッシュ情報に「申請後データあり」と表示されているメッシュでは、重要種分布情報の提供に関する規定に基づく利用申請を行うことにより、提供可能なデータがあることを示します。重要種分布情報の利用申請については、以下を参照してください。

  重要な動植物に関する情報の取扱い


  センシティビティマップには陸域版と海域版の2種類があります。沿岸域では、これらのマップは重なることから、そのような場所で事業を検討する場合には、陸域版と海域版の両方を参照してください。その際、それぞれの注意喚起メッシュのレベルを確認するとともに、その内容をメッシュ情報で確認してください。なお、陸域版と海域版では、注意喚起メッシュの評価の対象種や評価の手法が異なるため、陸域版、海域版のそれぞれの作成方法をよく理解した上で活用してください。

  鳥類の渡りのルートは、陸域版に収録しています。渡りを行う鳥類は陸域だけでなく海域も利用するため、海域で洋上風力発電事業を計画する際にも、陸域版の鳥類の渡りルートを参考にしてください。

  センシティビティマップの陸域版と海域版のそれぞれの詳細は、以下をご覧ください。


  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)とは

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)とは


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ作成の目的

  地球温暖化対策として、風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入を促進させることが重要となっています。風力発電設備の設置については、鳥類がブレードに衝突して死亡するバードストライクが主な課題の一つとなっています。また、生息環境の特殊性がある陸域の鳥類に対しては土地改変に伴う影響や、風力発電が採餌海域に立地することによる影響も懸念されています。

  風力発電事業者(以下「事業者」という。)が事業区域を検討する際には、一般に風況や系統などの事業性の観点から検討が進められますが、上記のような鳥類に与える影響が大きい区域においては、影響の回避・低減に係る検討の熟度が低いまま事業計画を進めた場合には、計画の見直しを迫られる可能性があります。

  再生可能エネルギーの導入促進と自然環境保全の両立を図るためには、事業者が事業計画の検討の初期の段階において、鳥類への影響を考慮すべき区域を認識し、事業区域の選定を含めて効果的な影響の回避・低減を進めることが極めて重要です。そこで、風力発電事業を計画しようとする際に、鳥類の生息状況を事前に把握するための一つの手法として、風力発電における鳥類のセンシティビティマップを作成しました。


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ活用範囲

〇 事業者が陸上風力発電施設事業計画検討の初期段階において、鳥類への影響を考慮すべき区域をその基礎情報(集団飛来地、重要種、渡りルート等)とともに一元的に把握することで、鳥類に与える影響の効率的な回避・低減を進めることに貢献します。

〇 事業者が環境影響評価手続中、計画段階配慮書における事業実施想定区域を設定するプロセス等において、事業計画の見直しのリスク(鳥類への影響を回避・低減するために設置基数の削減が必要となる等)を早期に把握し、鳥類への影響が小さい区域を優先的に選定することなどを想定しています。【センシティビティマップ(公表版)】

〇 事業者が、方法書における鳥類の調査、予測及び評価の手法検討並びに環境影響評価の実施において、本マップ作成に際し実施された個別の集団飛来地や渡りルートの現地調査結果等を活用することにより、より精度の高い調査、予測及び評価が可能となります。【センシティビティマップ(申請後版)】



図1  センシティビティマップの活用範囲(イメージ)


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)とは

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)では、地図上に注意喚起メッシュ(10kmメッシュ:標準地域メッシュの2次メッシュ1と鳥類の渡りルートの情報を収録しています。

  注意喚起メッシュは、バードストライク等との関連性が高い重要種の分布や鳥類の集団飛来地を示しており、そのレベルによりA、B、Cの3つのランクで示しています(Aはさらに3~1に分割しています)。

  注意喚起メッシュを地図上で拡大すると、メッシュ情報が表示されます。これは、メッシュ内でどのような鳥類が確認されているか、またそのメッシュに集団飛来地や国指定鳥獣保護区が含まれるかなどを示しています。

  鳥類の渡りルートは、日中の渡りルートと夜間の渡りルートの情報を収録しています。日中の渡りルートは地図上にラインで表示していますが、天気や風況などの条件によりコースや幅が変化することに留意が必要です。


1. 2次メッシュとは、日本全国を緯度経度でメッシュ(網目状)に細かく区画した「標準地域メッシュ」のひとつです。標準地域メッシュには、網目の荒いものから細かいものまで3段階あり、第1次地域区画(1次メッシュ)、第2次地域区画(2次メッシュ)、第3次地域区画(3次メッシュ)と呼ばれています。2次メッシュを距離にするとおよそ10km×10kmになります。詳しくは次のURLをご覧ください。http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-042.html


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)の作成方法

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)は、北海道、本州、四国、九州(淡路島、対馬及び福江島を含む)を対象に、10kmメッシュ(標準地域メッシュの2次メッシュ)で作成しました。

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)として、注意喚起メッシュと鳥類の渡りルートを作成しました。注意喚起メッシュは、重要種の分布及び集団飛来地の2つの構成要素を重ね合わせることで作成しています。重要種の分布は主に文献調査、集団飛来地は主にヒアリング調査及び現地調査から情報を収集しています。

  鳥類の渡りルートは、主に文献調査や現地調査の情報を整理し、日中の渡りルート、夜間の渡りルートを図示しました。日中の渡りルートは地図上にラインで表示していますが、天気や風況といった条件によりコースや幅が変化することに留意が必要です。


注意喚起メッシュの作成方法

【重要種】

  まずバードストライクとの関連性が高い種や生息地の改変に鋭敏な種を10種選定し、それぞれ程度の高い方から3、2、1とランク付けを行いました。

  重要種の選定は、はじめに環境省レッドリストから絶滅危惧種・野生絶滅種に記載されている98種を抽出しました。次に、生息環境と陸域風力の設置場所との関係、バードストライクの事例の有無、風車との関連性(McGuinness et al.2015)等から風力との関係が注目される重要種として10種を選定しました。このうち、「個体数が極小」、「個体数が少なく減少傾向」、「生息地が局所的で生息地の減少の影響が大きくかつ生息環境が特殊」のいずれかに該当するイヌワシ、シマフクロウ、チュウヒ、オオヨシゴイ、サンカノゴイをランク3とし、それ以外の種については、国内でのバードストライクの事例が多いオジロワシをランク2、事例が少ないもしくは関係が不明のクマタカ、オオワシ、タンチョウ、コウノトリをランク1としました。

  最後に、重要種が分布している10kmメッシュにその重要種のランクを付け、10種のメッシュを重ね合わせました。同一メッシュに複数の重要種が分布する場合には、最も大きいランクをそのメッシュに付けました。


【集団飛来地】

  集団飛来地については、ガン類、ハクチョウ類、カモ類、シギ・チドリ類、カモメ類、ツル類(ナベヅル・マナヅル)、ウミネコの繁殖地、その他の水鳥類、海ワシ類及びその他の猛禽類を対象としました。水鳥類については、はじめにラムサール条約湿地に指定されている場所の個体数データ(モニタリングサイト1000調査)を基に、分類群ごとに個体数の基準を3、2、1とランク付けました(個体数の多いものはランクが高くなります)。

  同様に、海ワシ類は「2016年のオオワシ・オジロワシ一斉調査結果について」(オジロワシ・オオワシ合同調査グループ,2016)の個体数データから、猛禽類は「平成27年度風力発電施設に係る渡り鳥・海ワシ類の情報整備委託業務報告書,風力発電施設立地適正化のための手引きに関する資料」(環境省自然環境局野生生物課,2016)の個体数データから、個体数の基準をランク付けしました。

  これらの基準を用いて、現地調査結果や文献による個体数データについて10kmメッシュごとにランクを付けました。

  なお、集団飛来地のヒアリング調査結果の情報があるメッシュは一律ランク1を、集団飛来地に関連するラムサール条約湿地及び国指定鳥獣保護区は一律ランク3を付けています。


【重要種と集団飛来地の重ね合わせ】

  最後に、メッシュごとに重要種と集団飛来地のランクを合計して、メッシュのランクを決定しました(図1)。メッシュのランクに応じて、注意喚起レベルを決定しました(表1)。


図2  重要種と集団飛来地のメッシュの重ね合わせ

表1  メッシュのランクと注意喚起レベル


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(陸域版)の留意事項

  • 重要種10種の分布データのとりまとめにあたっては最新のデータの入手に努めましたが、イヌワシのように過去に生息が確認されているものの近年は生息が確認されていない地域が含まれている種、オジロワシやタンチョウのように近年分布が広がっている種、オオワシのように年により分布が大きく変化する種がいます。また、シマフクロウの分布域は「生息地の連続性と目標つがい数を確保する上で重要な地域」を引用しています。

  • 日中の渡りルートは、文献や有識者へのヒアリングにより推定しましたが、渡りのルートは 地形や天候等の条件によりコースや幅が変化します。このような性質の情報であることから、表示する縮尺は1:2,311,162までとし、それよりも拡大した縮尺では表示していません。

  • 注意喚起レベルで「情報なし」としたメッシュは、重要種が分布しておらず、集団飛来地もないことから注意喚起レベルが低いと評価された場合だけでなく、もともと鳥類の生息状況の情報そのものがない場合も含まれています。そのため、「情報なし」のメッシュであっても、環境影響評価の手続きにおいては十分な調査を実施してください。

  • これに対して、注意喚起レベル「A」~「C」と評価されたメッシュでは、バードストライクとの関連性が高い重要種が分布していることや、鳥類の集団飛来地があることが分かっています。そのため、環境影響評価の手続きを進めるにあたっては、特に重点的な調査が必要になります。該当する項目(重要種や集団飛来地)を参考にして、より詳細な調査を行ってください。例えば、重要種が生息するメッシュでは、その種を対象とした詳細調査を実施する必要があります。また、集団飛来地が該当する場合、ねぐらや餌場の位置、そのルートなどに着目した調査が必要となります。渡りルートが事業計画地及びその近隣にある場合には、渡り鳥の調査を詳細に実施する必要があります。

  • 注意喚起レベルは10kmメッシュで表示しています。そのため、重要種や集団餌場・集団塒は必ずしもメッシュ内の全面に分布しているわけではなく、メッシュ内のごく一部にだけに分布している場合も含まれています。

  • 情報なしのメッシュであっても隣接するメッシュに注意喚起レベルの表示がある場合、また注意喚起レベルが相対的に低いメッシュであっても隣接するメッシュにより高い注意喚起レベルが表示されている場合は、隣接するメッシュの注意喚起の要因に注意してください。

  • 注意喚起レベルの高いメッシュや、渡りルート上もしくはそれに近隣する地域で事業を計画する場合は、より高い保全措置が必要になる可能性があることに注意して、事業計画を立案してください。


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)とは

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)では、鳥類への影響を考慮すべき区域として注意喚起メッシュ(10kmメッシュ:標準地域メッシュの2次メッシュ)の情報を収録しています。

  注意喚起メッシュは、バードストライク等と関連性の高い鳥類が多く分布する海域を示しており、そのレベルにより6つのランクで示しています(影響のリスクが高い方から順に注意喚起レベル5~1及び低)。

  注意喚起メッシュを地図上で拡大すると、メッシュ情報が表示されます。これは、メッシュ内に国指定鳥獣保護区や集団繁殖地などが含まれているかどうか、またそのメッシュではどのような鳥類が確認されているかなどを示しています。


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)の作成方法

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)は、北海道、本州、四国及び九州の主要四島の沿岸・沖合、またそれらの周辺の島嶼海域を対象に作成しました。

  注意喚起メッシュは、保護区に指定されている重要な場所や希少な海鳥の集団繁殖地(保護区等)、海鳥の集団繁殖地2及び海鳥の分布状況(海鳥の洋上分布3)の3つの構成要素の評価結果を重ね合わせることで作成しています。保護区等と海鳥の集団繁殖地は文献調査、海鳥の洋上分布は現地調査から情報を収集しています。

  なお、これら3つの構成要素の評価結果は、構成要素のレイヤで確認することがきます。これにより、注意喚起メッシュのレベルが、どの構成要素によって評価されているかを調べることができます。


図3  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)の作成方法(イメージ)


注意喚起メッシュの作成方法

【保護区等】

  保護区等は、国指定鳥獣保護区、ラムサール条約湿地及び希少な海鳥の集団繁殖地から作成しています。国指定鳥獣保護区は、集団繁殖地で指定されている全ての箇所、また集団渡来地で指定されている箇所のうち、沿岸部に位置するものを対象としました。また、ラムサール条約湿地も沿岸部に位置するものを対象としました。

  国指定鳥獣保護区とラムサール条約湿地については、それらにかかる10kmメッシュは注意喚起レベル5としました。また、このメッシュの周辺のメッシュについては、注意喚起レベル4としました。

  希少な海鳥の集団繁殖地は、主に海鳥の集団繁殖地のデータを用いました。このデータから、環境省レッドリスト2019でVU、EN及びCRと記載されている種の繁殖地を選び出しました。これらの繁殖地にかかるメッシュを注意喚起レベル4としました。


【海鳥の集団繁殖地】

  海鳥の集団繁殖地では、まず、文献から集団繁殖地の位置、繁殖する海鳥種及びその個体数を収集しました。使用した主な文献は以下の2つです

  □ 海鳥コロニーデータベース (環境省自然環境局生物多様性センター, 2019年2月13日版)

  □ 平成19~30年度モニタリングサイト1000海鳥調査報告書(環境省自然環境局生物多様性センター, 平成20~31年)


  これらのうち、過去20年(1999年~2019年)のデータを対象に、個体数や位置等が明確なものを選びました。また、海鳥種の採餌距離も文献4から収集しました。

  次に、集団繁殖地を円の中心に採餌距離を半径として、円状の採餌範囲を種ごとに作成しました。繁殖地を利用する海鳥種はこの採餌範囲に一様に分布すると仮定し、10kmメッシュごとに個体数密度を算出しました。

  一方、種類ごとの希少性や飛翔高度などから洋上風力発電との関連性を点数化したもの(種別スコア)を別途整理しました。個体数密度にこの種別スコアを乗じて、メッシュごとに点数を付けました。複数の種が同じメッシュに分布している場合は、種類ごとの点数を足し合わせることで、メッシュを点数化しました。こうして計算したメッシュの点数を6分割し、大きいほうから注意喚起レベル5~1及び低と評価しました。レベルが高い程、バードストライクや、風力発電が採餌海域に立地することによる鳥類への影響がより懸念されます。

  種別スコアはCertain et al.(2015)5を参考とし、メッシュの点数化の算出は、Webb et al.(2016)6を参考としました。


【海鳥の洋上分布】

  海鳥の洋上分布は、飛行機による海鳥の分布調査により情報を収集しました。これは、飛行機からの目視により海鳥の種や個体数を記録するものです。本調査は、北海道、本州、四国及び九州の主要四島の沿岸・沖合で実施しました。

  調査結果は、まず種類ごとに10kmメッシュで個体数密度を集計します。そして、海鳥の集団繁殖地と同様に、種ごとの個体数密度に種別スコアを乗じて、メッシュごとに点数を付けました。複数の種が同じメッシュに分布している場合は、種類ごとの点数を足し合わせることで、メッシュを点数化しました。こうして計算したメッシュの点数を6分割し、大きい方から注意喚起レベル5~1及び低と評価しました。レベルが高い程、バードストライクや、風力発電が採餌海域に立地することによる影響がより懸念されます。

  海鳥の洋上分布では、現地調査での確認種から特定の種を選定することはせず、全ての種を評価の対象としています。これは、希少種を含めて海域を利用している鳥類の生息状況や洋上風力発電との関連性の情報が少ないこと、また鳥類が集団で分布している海域はそれらの生息にとって重要と考えられることを理由としています。


【構成要素の重ね合わせ・注意喚起レベル・範囲】

  風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)の注意喚起メッシュは、保護区等、海鳥の集団繁殖地及び海鳥の洋上分布の構成要素のメッシュの3つの構成要素を重ね合わせて最大のレベルのメッシュを採用することで作成しました。

  注意喚起メッシュは、注意喚起レベル5~1、注意喚起レベル低、情報なしの7つに分けました。注意喚起レベル5~1の海域は、バードストライク等の鳥類への影響が高い海域であり、レベルが高い程、バードストライクや、風力発電が採餌海域に立地することによる鳥類への影響がより懸念されます。

  本マップの範囲は、3つの構成要素すべてが重なり合う範囲のみとしました。3つの構成要素すべてがそろっていないメッシュは、情報なしとしています。


2. 構成要素「海鳥の集団繁殖地」における“海鳥”は主に、海鳥コロニーデータベース(環境省自然環境局生物多様性センター, 2019年2月13日版)、平成19~30年度モニタリングサイト1000海鳥調査報告書(環境省自然環境局生物多様性センター, 平成20~31年)に記載のある種を指します。具体的には、ネッタイチョウ目、ミズナギドリ目、カツオドリ目及びチドリ目となります。

3. 構成要素「海鳥の洋上分布」における“海鳥”は、カモ目、カイツブリ目、アビ目、ミズナギドリ目、コウノトリ目、カツオドリ目、ペリカン目及びチドリ目としました(なお、海上で確認された淡水性の種を含みます)。

4. 主にFurness et al.(2012)Assessing the sensitivity of seabird populations to adverse effects from tidal stream turbines and wave energy devices.

5. Certain et al.(2015)Mapping the vulnerability of animal community to pressure in marine systems: disentangling pressure types and integrating their impact from the individual to the community level.

6. Webb et al.(2016)Sensitivity of offshore seabird concentrations to oil pollution around the United Kingdom: Report to Oil & Gas UK


風力発電における鳥類のセンシティビティマップ(海域版)の留意事項

  • 「海鳥の集団繁殖地」のデータは、文献から収集しました。集団繁殖地を利用する海鳥は、その採餌範囲に一様に分布すると仮定して、周辺のメッシュを評価しています。しかし、実際には海鳥の採餌場所には偏りがあるため、注意喚起レベルが相対的に低いメッシュでも、多くの個体が採餌する海域である可能性があります。

  • 「海鳥の洋上分布」のデータは、飛行機による海鳥の分布調査の結果を用いています。この調査は、飛行機からの目視によるものです。そのため、ウミツバメ科やウミスズメ科等の比較的小さな海鳥については、実際には調査結果よりも多くの個体が分布している可能性があります。

  • 注意喚起メッシュは10kmメッシュで表示しています。そのため、飛行機による海鳥の分布調査結果で確認された海鳥は、必ずしもメッシュ内の全域に分布しているわけではなく、メッシュ内のごく一部にだけ分布している場合もあります。

  • 海鳥は移動能力が高いことや、海水温や餌生物の分布等の変動性の高い海洋環境を生息場として利用していることから、飛行機による海鳥の分布調査では、調査した日・時間ではそのメッシュで確認されたとしても、次の日には別のメッシュに移動している可能性があります。そのため、注意喚起レベルが相対的に低いメッシュであっても、近接するメッシュにより高い注意喚起レベルが表示されている場合は、近接するメッシュの確認種に留意するなど、注意してください。

  • 注意喚起メッシュの高いメッシュや集団繁殖地に近隣する海域で事業を計画する場合は、より高い保全措置が必要になる可能性があることに注意して、事業計画を立案してください。


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風力発電における鳥類のセンシティビティマップ

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